参加者に自宅でできる血行を良くするエクササイズを教える尾崎将俊さん(右)

身体ケア、深まる交流 アストレフィットネス

2024/07/01 06:00
社会

諏訪市社会福祉協議会が運営するリハビリデイサービス事業所「アストレ城南」(同市高島)は、施設内の運動器具やマッサージ器具などを使って身体のケアをしてもらう「アストレフィットネス」を月1回行っている。地元住民や市社協職員に参加を呼び掛け、今年4月から始めた。健康のために運動したりリフレッシュしてもらったりするとともに、参加者同士交流を深めてもらい、”住民同士がつながる場所”を目指す。

 

■能登地震避難所訪れ思い強める

 

アストレフィットネスを始めたのは、今年1月1日に発生した能登半島地震がきっかけ。同事業所職員で理学療法士の尾崎将俊さん(35)が、2月に日本災害リハビリテーション協会(JRAT)の被災地支援活動に参加。手すりの設置などの環境整備を行うため避難所を訪れた際、「日頃から地域の住民同士のつながりが大切」との思いを強め、企画したという。

 

尾崎さんは「住民同士のつながりが感じられる地域の避難所は、お互いに思いやりの気持ちがあり雰囲気が明るかったし、避難所内も充実していた」といい、「お互いのことを知っているので、『あの人は…』と必要な情報を専門職に教えてくれて、助かったこともあった」と振り返る。

 

■悩み聞きながら専門職から提案

 

アストレフィットネスは、有酸素運動、筋力トレーニング、マッサージなどの機器がある同事業所を開放し、参加者に思い思いに過ごしてもらう。職員同士のつながりも深めようと、市社協職員も対象とした。尾崎さんをはじめ、同事業所の作業療法士、介護福祉士、看護師らが、参加者の身体の悩みを聞きながら、その人に合ったエクササイズやマッサージを提案する。

 

6月は28日に開かれ、同事業所利用者やその家族、友人ら5人が訪れたほか、仕事終わりの市社協職員2人も参加。器具を使った運動やマッサージ、介護福祉士によるリンパマッサージ、防災食などを体験した。参加者は職員や他の参加者とのおしゃべりも楽しみながら、和気あいあいと身体をほぐしていた。

 

■地域課題把握や情報共有の場に

 

尾崎さんは「ここに来ていただき、皆さんとお話しする中で地域の課題を把握できることもあるし、社協職員同士の情報共有もできると思う」と話し、「ここで出会った人が街中でも声を掛け合うような、人と人がつながる場所になったら」と期待している。

 

次回は19日午後6~7時。参加費は200円。リンパマッサージは別途オイル代500円。問い合わせ、申し込みは同事業所(電話0266・56・6060)へ。

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