18歳以下の子どもたちの悩みを電話で聴く「チャイルドラインすわ」が発足20年を迎えた。安心して話せる「心の居場所」をつくりたいと、2004年度に運営委員会を立ち上げ、05年度に県内2番目のチャイルドラインとして開局した。子どもたちの不安や悩みは複雑化、深刻化しており、対応件数は増加傾向。一方で電話の受け手や支え手となるボランティアは不足しており、子どもたちの現状を伝えながら協力や支援の輪を広げたい考えだ。
午後4~9時に開設される子ども専用の無料電話。「すわ」はNPO法人すわ子ども文化ステーションの運営委が火、金曜日の週2日活動している。養成講座を経て現在は受け手として20~70代の36人が登録。昨年度は896件の子どもの声に寄り添った。
電話をかけてくる子どもの約8割は、「話を聞いてほしい」「誰かとつながっていたい」を動機とする。宮野孝樹運営委員長は「身近な人に相談しなくなっている。子どもに向き合い、声に耳を傾けることに経済的にも時間的にも余裕がなくなっている」と指摘。宮澤節子事務局長は「電話が減ることが理想だが、20年間をみると、右肩上がりでなおかつ深刻化している。人間関係が希薄になっていると感じる」とし、長引いたコロナ禍がこうした状況に拍車を掛けたと分析する。
20期目の受け手養成講座は諏訪市総合福祉センターで8月31日に開講し、9月28日にかけて11講座を開く。7月21日午後1時30分からは同所で20周年記念式典を開催。金子ゆかり市長の講演を聞き、弦楽アンサンブルを楽しむ。
「格差、貧困、虐待、不登校、ネットトラブル…。あらゆる問題が子どもたちに降りかかってきて、心に影響を与えていると感じる」と宮野さん。「チャイルドラインの社会的な役割は増している。子どもに関心のある大人を増やしていきたいというのが私たちの願い」として、養成講座の受講を呼び掛けている。
問い合わせは、市ふれあいの家内の事務局(電話0266・58・3494)へ。
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