2024年11月8日付

2024/11/08 08:00
八面観

大手繊維メーカーの東レは今年でキャンペーンガールの起用を終了する。水着素材の宣伝などを目的に1981年から続けてきたが「時代の変化」を考慮して廃止を決めたという。もはや水着姿の女性に宣伝効果を期待してはいけない時代なのだろう▼夏の暑さは去っても、まだまだおいしい生ビール。居酒屋に入れば迷うことなく注文してしまう。「とりあえず生」。店内に目を向ければ一昔前まで当たり前に見られた生ビールの販促ポスターが姿を消していることに気づく▼ジョッキを手にほほ笑む水着姿の美女。かつての飲食店には、この手のポスターがいたるところに掲示されていた。各メーカーとも20年ほど前からキャンペーンガールの起用や水着広告を控えるようになったらしい。ジェンダー平等が叫ばれる時代。幅広い層の支持を得るためにもうなずける対応だ▼顧客や消費者を不快にさせる行為は企業にとって致命的。イメージ低下の影響は計り知れない。水着が駄目でもミニスカートなら許されるのか。そもそも容姿端麗な女性の広告起用にリスクはないのか。販売戦略にもジェンダーの視点が求められる▼今月発売されるゲーム「ドラゴンクエスト3」のリメイク版では性別選択の仕様が廃止されるそうだ。ジェンダー問題への配慮は必要だが、過剰との指摘もある。多様性を認めつつも価値観を強要することのない社会であってほしい。

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