1カ月ほど前に上田市内のある水田を訪れた。たわわに実る稲穂がこうべを垂れる収穫直前。その中央部に支柱が立ち、太陽光発電パネルを支えていた。農業と太陽光発電を両立するソーラーシェアリングだ▼ただこの水田、農地に太陽光パネルを敷き詰め、パネルの下にアリバイ作り程度に作物を植える野立て型のような太陽光とは一味違う。栽培も発電も両方本気のいわば二刀流。水田を管理する合原亮一さんもまた農家であり、ITベンチャーの社長でもある二刀流▼水田に建つ可動式の太陽光パネルは一日の太陽の動きに合わせて自動制御で角度を変える。支柱の高さは約3.5メートルで、朝夕は太陽光パネルが目立つが、日中、地表面と平行に近くなると、思ったほどの圧迫感はない。景観への影響も野立て型と比べ、小さいように感じた▼合原さんがソーラーシェアリングに着目したのは東日本大震災。福島第1原発の事故に伴い、都内で実施された計画停電がきっかけ。それから十数年、「農業プラス太陽光発電の『2階建て』で事業展開しなければ、栽培だけではいずれ業界として維持できなくなる」との思いを強くしている▼逆を言えば「2階建て」で稼ぎ、栽培を続けて農地を守る。農業収益を高める新たなモデルではないか。担い手確保と化石燃料に頼らない持続可能なクリーンエネルギーの普及。二つの課題解決のヒントがこの水田にあった。
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