万歳の”所作”には二通りある。衆院議長が解散詔書を読み上げ、失職した国会議員が万歳する光景を見ていて改めてそう思った。一つは、手のひらを内側に向け、指先を閉じてまっすぐ伸ばし、うやうやしく水平に振り上げる。もう一つは、手のひらを前方に向けて勢いよく突き上げる▼議場で万歳をした与党議員の大半は前者だった。念のため過去の新聞を引っ張り出して確認してみたら、後者の議員も散見される。手のひらを内側に向ける動作はここ数十年で浸透したようだ▼万歳について調べてみると、前者を奨励した「万歳三唱令」にたどり着く。1990年代に創作されたという偽文書だが、万歳の”作法”を流布することに一役買ってしまった。諏訪の神社で宮司をしている70代男性は前者の万歳を教わってきたという。降参の「バンザイ」と区別する思いもある。いずれにしても、どちらが正しい、どちらが誤っているということはないらしい▼諏訪では万歳をする機会が多い。例えば御柱祭。奥山の大木を切り倒したとき、山から里へ下り御柱を神社に曳き着けたとき、境内の四隅に御柱を建てたとき。力を合わせて成し遂げた喜びを共有する瞬間、万歳ほどふさわしい行為はないだろう▼広辞苑によれば、万歳にはいつまでも生き、栄えることへの願いが込められている。選挙の勝利のためでなく、国民の幸せのためにあってほしいものだ。
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