人口減を背景に、統廃合や再編、見直しなどの言葉が行き交う近年。地方自治体では職員減や専門性低下なども加わり、保育園や学校、文化施設といった公共施設の在り方、道路や橋などインフラ施設の維持管理が大きな課題となっている▼経済規模の縮小で「過去の遺物」を持て余す実態も。利用と維持修繕のバランスが保てず、ここ10年ほどで各地の公共プールが相次いで姿を消しているのも一つの例だろう▼小平奈緒さんを輩出し「ナオ・アイス・オーバル」の愛称で親しまれる茅野市国際スケートセンターも、岐路に直面している。市行政改革審議会が「原則廃止」の答申方針を固めた。「巨額の投資を続けることは公共性、公益性の観点から認められない」との見解だ▼確かに競技人口は減っているが、諏訪地方のスケート文化を支えてきたシンボルでもある。今井敦市長は審議会に理解を示す一方、「合理性だけでは語れない部分もある」と運営継続の可能性を探る考えを示した。その方法の一つに挙げたのが、諏訪6市町村による管理だ▼公共施設の広域管理は各地で試行や模索が進む。広域連携は効率化が図られるが、一方で費用や人材の負担割合、利用者の合意形成などの課題も指摘される。広域管理の議論は諏訪だけでなく、今後の行政運営の試金石にもなりそう。茅野市や周辺市町村が今回の課題をどう結論づけるか。議論を見守りたい。
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