暑い夏を乗り切るためには食生活が大切。バテているときは、肉類よりも野菜に目が向くことがある。まるかじりしやすいトマトなどのほか、ブロッコリーは好きな野菜の一つ。味に加えて、独特の歯応えがある食感も良い▼そのブロッコリーが国が定める「指定野菜」に追加される。消費量が多い、または多くなることが見込まれる野菜について、値段を安定させて、いつでも食べられるようにするのが目的。天候不順などで価格が下落した際に生産者に支払われる補助金を手厚くし、安定供給につなげる。2026年度から適用される▼指定野菜は現在、大根やキャベツ、レタスなど14品目。新たな品目の指定は1974年のジャガイモ以来、実に52年ぶりとなる。制度に支えられて天候不順の年でもしっかり食べられるなら、消費者にとってありがたいこと▼農林水産省の統計によると、2021年のブロッコリーの生産量は11年から3割以上増加。ビタミンCやカリウムなど栄養が豊富で、国民の健康志向の高まりなどを背景に伸びている▼ブロッコリーを含め県内は野菜の宝庫だ。野菜収穫量で長野県がトップなのは、エリンギ、エノキタケといったキノコ類をはじめズッキーニ、原村が産地のセロリなど数多い。ブロッコリーは22年に全国6位の収穫量だった。野菜の価格は総じて上昇しているさなかだが、旬を感じながらおいしく味わいたい。
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