2024年9月6日付

2024/09/06 08:00
八面観

日ごろ漠然と抱いている不安が、にわかに現実味を帯びた思いだった。気象庁が8月8日に発表した南海トラフ地震の「臨時情報(巨大地震注意)」。阪神淡路大震災…。東日本大震災…。そして能登半島地震…。心をよぎる▼写真や映像で目にした被災地の惨状が頭に浮かび、自身が暮らす地域がそうなったらと、恐れにも似た感情が湧き上がった。能登半島地震では多くの家がつぶれたと聞き、築60年以上たつ木造の実家はひとたまりもないだろうと危惧する▼半面で、巨大地震が起きる可能性が高まったと言われても、正直に言って何をどうすればいいか非常に戸惑った。せいぜい備蓄食料としてカップ麺やレトルト食品を買い込んだり、家人と離れ離れになった場合に落ち合う避難場所を決めたりしたくらい▼本紙は「防災の日」特集で、能登半島地震で被害を受けた石川県内で支援活動や調査活動に携わった人から話を聞いた。諏訪赤十字病院の赤羽千春さん、公立諏訪東京理科大学の菊地輝行さん、上伊那広域消防本部の西村由久さん。3人は水とトイレの重要性を指摘していた▼人は災害時にも生きていかなければならないと改めて実感させられる。「防災週間」はきのうで終わったけれど、災害は今この瞬間にやってくるかもしれない。実際に災害に見舞われたら自分がどういう行動を取るか分からないが、その時の心構えだけはしておきたい。

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