2024年8月31日付

2024/08/31 07:59
八面観

さまざまな気候変動が指摘される中、風も以前より強く吹くことが多くなったのではないかと薄々感じている。風は恐ろしい。強く吹くと、真っすぐ歩けなくなるし、思わぬ所から物が飛んでくることもある。危険極まりない▼5月にはJR下諏訪駅前に立っていた模擬御柱が強風で倒れて撤去され、6月には残る1本も安全面を考慮して撤去された。1998年の長野五輪の開会式で披露されたうちの2本であり、観光客にもアピールできる存在として知られていた。それだけに関係者からは落胆の声が聞かれた▼今回の台風10号が来る前までの気象庁データによると、風の強さの過去最大は諏訪が最大風速22・3メートル、最大瞬間風速33・8メートル。伊那が最大風速17・0メートル、最大瞬間風速30・0メートル。台風10号では鹿児島県に「暴風」などの特別警報が発表され、枕崎では最大瞬間風速が50メートルを超えた。想像を絶する強さである▼気象庁によると、平均風速が30メートルを超えると「猛烈な風」と表現される。特急電車並みのスピードになり、屋外での行動は極めて危険。走行中のトラックが横転してしまうほどになる▼以前、高さ約5メートルの鉄製の時計塔が倒れた現場に出向いたことがある。根元からポキリと折れていた。40年ほど前に設置されたものとはいえ、風の怖さを思い知らされた。不安定な気候が多い昨今、私たちはこの強い風とも向き合わなければならない。

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