2024年8月30日付

2024/08/30 08:00
八面観

どちらかといえば、捨ててしまう。冷蔵庫の中にある賞味期限切れの食品。未開封のままなら多少は過ぎても問題ないだろうが、封が切ってあると「開封後はお早めにお召し上がりください」の表示が気になる。「もったいない」とお叱りを受けるかもしれないが…▼気温と湿度が高く、食べ物が傷みやすい夏場。高温多湿の気象条件の中では食中毒の原因となる細菌が活発に増殖する。テークアウトやデリバリーでも「できるだけ早く食べて」や「温度管理には気を付けて」などと注意を呼び掛ける言葉が目立つ。この時期は集団で下痢や嘔吐などの症状を訴える事例も多発する▼厚生労働省によると、2023年の食中毒発生件数は1021件で患者数は1万1803人。患者数が500人を超える事例が8月と9月に1例ずつあった。注意していても防ぎようがない場合もある。症状が出たら早めに医師の診断と治療を▼天候不順もあって暑さは和らいだ印象だが、湿度は依然として高い。食中毒は家庭の食事でも発生する。食品購入後、冷蔵庫に入れたままついうっかり賞味期限を切らしてしまった経験もあるだろう。非常食も年に1度は期限を確認したい▼食中毒予防の3原則は細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」である。一方で食品ロスも頭をよぎる。冷蔵庫に入ったままになっている、賞味期限を少し過ぎた食品を見ながら考えた。

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