2024年8月20日付

2024/08/20 08:00
八面観

働くことの意義。それは人間の本質的なニーズを満たす重要な要素の一つ。働くことで社会に貢献して自らも成長し、働くことで生活費を稼いでプライベートを充実させる。働くことは単なる手段ではなく、目的でもあると言えるだろう▼人生の一区切りとなる定年。かつて平均寿命が今ほど長くはなかったころは55歳だったが、やがて60歳となり、これからは65歳にまで延長されるだろう。既に約8割の企業が継続雇用制度を導入し、約2割は定年を引き上げ、約3%は定年制度を廃止している▼わが社でも最近、60代半ばに差し掛かり、40年近く勤め上げた会社を去った人がいる。人生の大半を過ごした会社を去る寂しさが勝るか仕事から解放される喜びが勝るかは分からないが、「老兵は死なず去り行くのみ」とばかりに静かに社を去り、新たな人生を踏み出した▼平均寿命からすれば定年後のセカンドライフは20年あまり。長いようで短い、短いようで長い。そんな20年を充実させるための思考とはどんなものなのか。長いこと働いた分、のんびりしたいのは分かるが、毎日だらだら過ごした結果、急激に老け込んだ人を何人も見てきた▼定年後の過ごし方は「メリハリ」が大事だという。定年後に何かをしなければいけないわけでもないが、「何もすることがない」と嘆くのも寂しいもの。定年後の人生をいかに楽しめるかは、本人の気持ち次第だろう。

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