夫の浮気に悩まされた日々を振り返る女のうらみ節。平安時代の右大臣、藤原兼家との結婚生活を赤裸々につづった藤原道綱母の作品「蜻蛉日記」は、現存する最古の女流日記とされる。悲しんだり、嫉妬したり。男女の愛憎劇は今も昔も面白い▼主には女性によって書かれた仮名文字の日記文学。夫への愚痴や源氏物語へのあこがれなど、個人の心情が生き生きと描かれている。日記といっても誰かに読まれることを意識した作品であり、比較的短い文章で読者の共感を得るスタイルは現代のブログやSNSに通じるところがある▼先日、ある女性アナウンサーがSNSで発信した男性の体臭に関する苦言が物議を醸した。夏場の汗臭さや不摂生による体臭が「苦手」と訴え、清潔感を保つよう促す内容。もっともな意見と得心したが、男性に特化した主張が差別的ととらえられ、所属事務所が契約を解除するまでに至った▼何が反発を招いたのだろう。改めて投稿を読み返してみた。主張そのものよりも自らの優位性をアピールし、諭すような文面に悪意を感じた人がいたのかもしれない。失言一つにレッドカードをたたき付ける炎上ぶりに恐ろしさを感じた▼日記文学は読ませるためにつづられた回想録。推敲を重ねて仕上げられたに違いない。不用意な発言がしばしば問題視される現代。言葉選びはいにしえの時代以上に難しく、熟慮を求められている。
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