能登半島地震以来、少しずつだが、防災グッズを買い足している。被災地を訪れた経験から新たに準備したのは簡易トイレ▼とはいえ、自宅の収納力は心もとなく、保管空間の確保は喫緊の課題。整理しなければいけないなと思いながら、なかなか手が付かない。そういえば職場のデスクも資料に覆われている。こちらも手を付けなければ▼石川県能登町や富山県氷見市に災害ボランティアを派遣した茅野市社会福祉協議会は、職員も現地災害ボランティアセンターの支援に入り、被災者ニーズの把握などに努めた。その経験を聞くと、日頃の整理の大切さを実感する▼被災後の復旧は個人レベルではまず家の中の片付けから始まる。ただ、その途方もないごみの量に頑張ろうという気持ちがなえてしまう。「こんなことなら、普段から不用な物は整理しておけば良かった」と後悔する住民の声を聞いた職員もいた▼奥能登地域に限らず、全国の地方では高齢化率が高まっており、高齢者のみの世帯も多い。大事だと思っていても重いものはなかなか動かせない。ただ、そういう物ほど震災時のけがのリスクを高める。万が一の備えは買いそろえるばかりではなく、被災後の復旧も見据えた片付けも。お盆は県外で暮らす家族が帰省する。今年は南海トラフ地震臨時情報下で迎える。地震への備えとして若い世代の手を借り、家の中の整理に取り組んでみては。
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