今年の夏はとにかく暑い。気象庁の長期予報で「今夏は暑い」と言われてはいたが、それにしても暑い。言葉に不思議な力が宿ると信じられている「言霊」というものがあるが、暑い暑いと言えば言うほど暑さは増してくるようだ▼諏訪の今年7月の30度超えの真夏日は20日あり、日平均気温は24・8度。自身が子供だった50年前の1974年の7月の猛暑日は1日もなく、日平均気温は20・7度で、今は昔に比べて暑くなっていることは統計上からも明らかだ▼夏になると、ちまたで見られるのが「冷やし中華はじめました」ののぼり旗で、夏を実感する。他にも音やにおいでも夏を感じることがあり、涼やかな風鈴の音色やセミの声、夕立後のにおいに蚊取り線香のにおいなど。日本人独特の感性も関係しているのだろう▼そんな夏が猛暑か冷夏になるかによって大きく左右される職業もある。農業においては猛暑になると高温障害が、冷夏になればなったで日照不足で冷害が生じる。飲食店や洋品店、家電販売店などでも気温で売れ筋が大きく変化し、仕入れに悩む▼そんな職種の人が頼りにするのが天気予報。技術の発達で近年はよく当たると評判だが、気温1度の違い、雨が降るか降らないかで売れる商品や販売量が変わってくる。天気予報は経済活動だけでなく防災面でも必要なだけに、天気予報がいかに人の暮らしに不可欠なのかを実感させられる。
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