70年前の1954年、その後のシリーズの原点となる映画「ゴジラ」が公開された。アメリカの度重なる水爆実験により、海底で眠る古代怪獣が目を覚まし、東京に上陸、破壊をしつくす。圧倒的な力を前に人間はなすすべもない。終戦からわずか9年後、これほどまでに印象深い作品を残した日本の映画製作の底力を感じた▼昨年公開され、岡谷市が主要なロケ地となった米アカデミー賞視覚効果賞受賞作「ゴジラ―(マイナス)1・0」。見比べると、山崎貴監督の初代へのオマージュが痛いほど伝わる▼初代「ゴジラ」が訴えるメッセージは、アメリカが太平洋に浮かぶマーシャル諸島で繰り返していた水爆実験への痛烈な批判だ。54年は日本の遠洋マグロ漁船「第五福竜丸」が水爆実験で被曝した年でもある。爆発によって海中のサンゴが粉々になって舞い上がり、乗組員23人が強い放射能を帯びた「死の灰」を浴びた▼元無線長の久保山愛吉さんは被曝から半年後、40歳で亡くなった。「原水爆の被害者はわたしを最後にしてほしい」と遺言を残して▼破壊の限りを尽くし、放射能をまき散らしたゴジラはある研究者が偶然生み出した技術によって葬り去られるが、大量破壊兵器への転用を懸念した研究者はゴジラへの使用に合わせ、技術にかかわるすべてをこの世から消し去った。第五福竜丸の被曝から70年。核兵器はまだ、この世から消えていない。
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