うだるような猛暑が地球を襲っている。サウジアラビアでは気温50度を超える中、メッカ巡礼者が1300人以上亡くなったという。体温をはるかに上回る未知の世界。今後人間が住めない地域が出てくるのではないかと危惧する。そんな暑い夏場に、もし停電にでもなったりしたら―と寝苦しい夜に考える▼停電が発生しないよう中部電力は定期的に電柱で行うカラスの巣の除去を行っている。電気の流れを制御する「開閉器」付近などに営巣すると停電の原因になり得るからだ。産卵期は多い日だと、1日約15カ所で作業するときがあるという。除去してもすぐに同じ場所で営巣するケースがあり、対策に苦慮していると聞いたことがある▼諏訪地域で産卵期の巣の除去は、2月下旬からゴールデンウイーク明けごろまでが中心らしい。電気の恩恵を受けている背景には、こうした地道な維持管理の仕事があることを頭に入れておきたい▼停電に備えてどんな対策が必要なのか。バッテリーが内蔵されたポータブル電源を用意する、自動車を所有している人は車に乗ってエアコンを利用する、保冷剤を準備する―などが挙げられる▼保冷剤は首や脇の下に当てれば、体に熱がこもるのを防げる。水を含ませたタオルを首に巻くのも効果的だ。停電で断水する可能性もあるので飲料水の備蓄も大事。さまざまな知恵をフル稼働させて停電時に対応したい。
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