鎌倉幕府滅亡後に執権北条高時の遺児をかくまった諏訪の武将、諏訪頼重が主要な登場人物として活躍する漫画「逃げ上手の若君」。テレビアニメ化され今月、放送が始まった。1333年の幕府滅亡から、時行を擁して挙兵する「中先代の乱」までの2年間、信州諏訪は鎌倉を取り戻す夢を抱いた少年の物語の舞台となる▼歴史は勝者によってつくられるためか、これまで注目をされてこなかった中世の諏訪がここ数年、関心を集めている。歴史の裏側とエンタメが結びつき、新たな動きが生まれつつある▼最期まで戦い、潔く果てるのが美徳とされた時代に逃げて、逃げて、逃げまくる主人公の若君。生きることに執念し、本懐を遂げるため、強大な力に何度も挑み続ける姿に注目だ▼歴史を敗者の視点から見ていくと、そこに新しい物語が生まれるのは、逃げが得意な若君だけではない。勝者がつくった常識を疑い、敗者の目線から常識のベールの裏を見つめる。新たな一面を発見し、表裏一体の本質が見えてくる▼原作漫画では巻末に歴史学者の本郷和人さんの解説が付くが、作者松井優征さんの諏訪取材を支えた諏訪信仰研究家の石埜三千穂さんも深堀解説している。ユーモラスな表現は単行本に任せつつ諏訪を「独立した『強さ』を持ち続けていた地域」と表現した石埜さんの考察に目が留まる。現代の諏訪を生きる一人として誇らしさを感じた。
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