知人宅を訪ねた時のこと。「猫が帰ってこないの」と寂しげに言われた。もう1週間になり、待つのは諦めたと。おそらくどこかで…、悪いことばかりが頭に浮かんでくるという。なんと言葉をかけていいのか分からずに、ただ黙って聞くことしかできなかった▼動物を飼った経験がないので、ペットと暮らす喜びや、別れの悲しみなどを実感として理解することができない。家族のような存在になるのであろうか。想像することしかできない▼しかし、身近な存在の大切と思う命との別れの悲しさは理解できる。これまでに、いくつもの別れを経験してきたので。しかし不思議なもので、すでに存在していない命であっても、今でも存在しているかのような感覚になることがある。突然の別れの時ほどそう感じている▼生きていること自体に価値がある。生きているだけで周りに何かを与えてくれる。命とはそういうものではないだろうか。そう思うと自分も含め、すべての命を大切にしなければいけないという気持ちになる▼「猫が帰ってきたの」。再び知人宅を訪ねた時うれしそうに言われた。1カ月ぶりに会えたいとしい命。こちらまでうれしくなった。「お帰りなさい」と心の中で言った瞬間、猫が足に絡みつくように懐いてきた。こちらの思いが通じたのだろうか。素直にかわいいと思った。向き合う命は鏡のようだ。自分の心を映し出してくれる。
購読残数: / 本
⻑野⽇報社からのお知らせ
フォトサービス
紙⾯に掲載された写真を有償で提供しています
諏訪湖マラソン…外部リンク
毎年10⽉開催の諏訪湖⼀周のハーフマラソン
第36回諏訪湖マラソン記録
⻑野⽇報の紙⾯PDFをご覧いただけます
⻑野⽇報ご購読
こちらから⻑野⽇報のご購読を申し込めます
⻑野⽇報就職研究会…外部リンク
「就職はふるさとへ」と考えている学⽣のみなさんへ
長野日報社 社員募集
2025年4月入社の社員を募集します
週間ランキング
「ララオカヤ」26年度から解体見通し 岡谷 上伊那ご当地ナンバー導入へ 広域連合方針 諏訪湖SA上下線に「諏訪の国」コーナー新設 谷川俊太郎さん 下諏訪の親友黒田さんと交流 強い冷え込み、雪づくり 霧氷の樹林を背に 岡谷でシルクサミット開幕 技術継承、文化創造へ 春近五人衆と井月、地元から光当てる 研究会発足 輝く青い諏訪湖 蚕糸公園イルミ点灯 築150年の民家に耐震シェルター 岡谷の小口さん宅 おむすびコンテスト 最優秀に矢坂さん日付で探す