明け方に響くバイクのエンジン音。騒音と感じる人もいるようだが、サイドスタンドを跳ね上げてアクセルを吹かす新聞配達の音を聞くとすがすがしい気持ちになる。単気筒エンジンのリズミカルな排気音を聞き、1日の始まりを実感する▼バイク世界シェアトップのホンダが原付きバイクのうち、排気量50CC以下の生産を終了する。日本自動車工業会の調べだと50CC以下の年間生産台数は1980年の約249万台に対して2022年は約15万台。販売数の大幅な減少に加え、25年に始まる排ガス規制への対応の難しさが背景にあるらしい▼頑丈で低燃費。原付免許で運転できる手軽さもあって郵便や新聞配達などの業務に使用されてきたホンダ「スーパーカブ」。1958年の販売開始から累計生産台数は1億台を超えるという。庶民の足として長く親しまれてきた50CCモデルが姿を消すのはさみしい▼原付きバイクの販売が低迷する一方、近年、電動アシスト自転車や電動キックボードが急速に普及している。世界的に脱炭素の取り組みが加速する中、二輪車の電動化は必然の流れと言えるだろう▼諏訪市では今春、諏訪湖周回用に電動キックボードのレンタルサービスが始まった。出力や最高速度などの要件を満たし、運転者が16歳以上であれば無免許で運転できる。ただ安全性は乗り手次第。免許不要でもハンドルを握る責任は忘れないでほしい。
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