2024年6月14日付

2024/06/14 06:00
八面観

「喉乾いたな」「ほなパンあげるわ」「なんでやねん」―。関西で耳にしそうなやりとり。例示にセンスがなくて恐縮だが、期待と異なる「ズレ」が、笑いを生むという。不一致理論というらしい▼政治とカネを巡る国民の政治不信が根強い。政治にはカネがかかる―。政治に関わる人が決まり文句のように唱える言葉。なぜ、何にそんなにカネが必要なのか。これまで取材を通して何人かの関係者に尋ねてきたが、明確な答えを得ることはできなかった▼自民党の元事務局長が、中国新聞の取材に応じた。国会議員は地方ほど選挙区が広くなり、複数の事務所や秘書が必要。選挙では運動員らの人件費、ポスターやチラシの印刷・宅配費などにも。「100万円をけちって落ちたら、後悔するでしょ」と「表に出ないカネ」の存在も認めた▼政策活動費の透明化や政治資金パーティー廃止を求める声に対し、抵抗を続けてきた自民党。「政治活動の自由を損なう」との主張は国民に届いているか。一方、立憲民主もパーティー開催の動きが明らかになり批判を集めた▼ネットでは「倫理観と責任感の問題」「カネがかかるから裏金も仕方ないではなく、かからない方法を考えるべき」などのコメントが並ぶ。近年の一般的な感覚では、政治にはカネがかかる―は免罪符にならないということでは。国民と政治家の感覚のズレ。もはや笑いにはなりそうもにない。

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