2025年3月26日付

2025/03/26 08:00
八面観

子どもの頃に車で家族と出掛けることが好きだったという。車の中は必ず家族といられる空間だから。目的地が遠ければ遠いほど、もっというと目的地に着かなければいいとさえ思っていた。それだけ家族と一緒の時間を過ごせるから。小さい時に1人で留守番をすることが多かった知人の話。大切にしている居場所の思い出▼家族も含め時間を共にする自分の周りの方とは不思議な関係を感じる。居心地が良いとか良くないとか思うことはあるが、偶然にせよ必然にせよ、現実に今を共に生きているということを意味あるものとして捉えて、自分の居場所としていきたい▼中学生の頃、親友とささいなことで仲が悪くなり、すれ違っても顔をそむけてしまう関係に。学校に行くのはいいのだが、親友だった友と顔を合わすのがつらかった。いつまでこの時間が続くのか、でもいつか終わりが来てほしいと思っていた▼その時は突然やって来た。親友だった友が普通に話をしてきた。勇気がいったと思う。自分には勇気がなかった。親友とともに自分の居場所も戻ってきたと感じた。親友に感謝▼つらい時があっても向き合ってきたから今がある。時には自分を守るため、今の場所から離れてみることは必要だとは思う。それでも今の思いと行動が、自分の未来の居場所をつくると信じていきたい。さらに自分が、だれかの居場所という存在になれたらうれしい。

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