土産品には一般の商品とは一味違った趣向があって楽しい。作られているその土地その土地ならではの文化や歴史が感じられ、作っている人のアイデアや暮らしている地域への思いが詰め込まれている▼土産は元来は、「土地の産物」を意味する「どさん」または「とさん」と読むという。では「みやげ」の由来はと、ネットで検索してみた。諸説あり、その一つが、神社でもらうお札を貼る板とか、神社にお参りする際に供えた物を入れる器とかとされる「宮笥(みやけ)」とする説▼江戸時代に、隣近所が出し合ったお金で代表者が伊勢神宮などへのお参りの旅に出掛け、宮笥や土地の産物を隣近所のために買って帰ったのが「みやげ」の始まりらしい。自分にではなくて、近しい人たちのための土産は日本独特の文化として発展してきたようだ▼今月上旬、諏訪信用金庫などが連携し、諏訪地方をはじめ県内の特産の商品をサービスエリアなどにアピールする商談会を開いた。諏訪市は31日まで、市内の推奨土産品「推せんみやげ品」を市役所ロビーで紹介している。どちらも多彩な品々が並び、ついつい手に取りたくなった▼コロナ禍を経て人々の行き来が回復し、インバウンド(訪日客)も増えている。受け取った人が今度は自分がその地に行ってみたくなる地域の土産品が増え、全国や海外に広まっていけば、さらに楽しい展開になるのではと思う。
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