2025年3月21日付

2025/03/21 07:59
八面観

憩いの場になれば―と自宅を新築した際に設置した2階のベランダは、鳥たちの社交場となっている。早朝からせわしなく響く鳴き声。そのけたたましさよりも存在感をアピールしているのは手すりや床にこびり付いた鳥のふんだ▼デッキブラシを手に掃除していると壁面には昨年営巣したツバメの巣。家に幸運をもたらすとされる言い伝えを信じ、ひなが巣立つまではできるだけ刺激しないよう気遣ってきた。「立つ鳥跡を濁さず」。掃除ぐらいしていってほしいと愚痴を漏らしながら、ふんまみれになったベランダの床をこする▼体内にさまざまな細菌や寄生虫などの病原体を持つとされる野生の鳥。乾燥したふんが空中に飛散し、人が吸い込むことで病気やアレルギーを引き起こす可能性があるという。マスクにゴーグル、ゴム手袋の完全防備で臨むベランダ掃除。鳥との共存の難しさをしみじみと感じた▼鳥獣保護管理法では野鳥を捕獲したり駆除することを原則として禁じている。卵やひなのいる巣を許可なく撤去することも法律違反。鳥害を防ぐ一番の対策は、鳥を寄せ付けないことだろう▼ホームセンターには忌避剤や侵入を防ぐネットなど多様な鳥よけグッズが並ぶ。まずは猛禽類の形をしたつり下げ式の鳥よけを導入。ただ期待したほどの効果はなく、第2弾を検討中だ。「いつかは思いが伝わるはず」。そう信じて気長に対策を講じていきたい。

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