2024年12月19日付

2024/12/19 08:00
八面観

先月、週末に連休を取って小学生の長男と神奈川へ出掛けた。金曜日に急きょ計画した1泊2日の旅。ホテルはどこも満室で困り果てていたところ、相模原市郊外で財布にも優しい民泊を見つけた▼許可を得て自宅などで運営する宿。戸建て住宅を改装して2階に3室を設けていた。家人には息子と同じぐらいの子がいて、照れくさそうに歓迎してくれた。部屋も風呂もトイレも清潔で、素泊まりながら高い満足感を得られた▼伊那市の「農家民泊」は都市部の子や訪日外国人らを農家が受け入れ、農業や自然、生活体験をする。特別なことはせず普段の生活に迎え入れるイメージだ。「海外の子とはボディーランゲージ。言葉の問題は小さなことです」。伊那勤務時代に農家の1人が笑顔で答えてくれた▼農家の方々の座談会も担当した。共通していたのは最初は不安や躊躇があったこと。始めてみて楽しさとやりがいを実感する。「朝ごはんがおいしかったです。家族でまた来たいです」。そんな言葉が疲れを帳消しにしてくれるどころか、次の出会いへの活力を与えてくれる▼コロナ禍の受け入れ休止を経て昨年度から本格的に再開した。伊那の魅力を挙げ出したら切りはないけれど、一番は温かい人柄だ。伊那が詰まった素朴ながら贅沢な農家民泊。受け入れ農家数が緩やかに増えているとの本紙上伊那版の記事に触れて、安堵感と期待感が込み上げた。

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