2024年12月1日付

2024/12/01 08:00
八面観

どこに危険が潜んでいるか分からない。昨年の初冬だった。車を運転中にタイヤが外れていたかもしれないと後で知り、肝を冷やした▼自分でスタッドレスタイヤに履き替えたばかりの車で高速道路を走っていた。異音に気付いたものの、まだ大丈夫だろうと軽く考えた。一般道に出てから駆け込んだガソリンスタンドの店員さんいわく。「このまま走ったらタイヤが外れる。高速道路上なら大事故につながった」。改めて車両点検の大切さを痛感した▼かつての「交通戦争」を思えば、事故の件数は大幅に減っている。とはいえ、昨年は全国で2678人が犠牲になった。県内の死者は42人。今年は昨年を上回るペースだ。命は助かっても後遺症に悩む人は少なくない。事故は当事者を含めて周囲の人生を大きく狂わせる▼「人間の目には限界があります」。先日、受講した安全運転管理者講習会で講師が力説していた。確かに見ているようで見ていないことはある。そこで「頭で見る」。つまり危険の予測が大切というわけだ。効果的なのが「かもしれない運転」。急に子供が道路を横断するかもしれない、前の車が急停止するかもしれない…。相手の立場になって考えてみる「思いやり」が事故防止につながる▼師走に入り、気ぜわしさが増してくる。焦りなど心の乱れも事故の間接的な原因の一つ。こんなときこそ心を落ち着かせてハンドルを握りたい。

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