今年一年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」の募集が始まった。日本漢字能力検定協会が主催し、例年12月に京都・清水寺で僧侶が揮毫することで知られている。30回目の今年はどんな1文字が選ばれるのか▼今年は元日に最大震度7を観測した能登半島地震が発生した。9月には記録的豪雨が追い打ちを掛けて「二重被災」に苦しむ人も多い。復旧・復興には息の長い支援が必要だ。「援」の文字が思い浮かぶ▼8月には気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表したことも記憶に新しい。諏訪、上伊那地方の自治体なども情報収集に追われた。改めて「備」えが大切だと思わされた一年だった▼首都圏で相次ぐ闇バイト事件。短時間で高収入が得られるなどとSNSで誘われ、強盗の実行犯や詐欺の受け子などになってしまう。ニュースでは「闇」という文字を多く見掛けた。自民党派閥のいわゆる「裏」金事件は衆院選の結果にも大きく影響した。説明責任をしっかり果たし、二度と起きないようにしてほしい▼米大リーグでは所属チームがワールドシリーズを制覇した大谷翔平選手の活躍が目覚ましかった。打者に専念し、54本塁打、59盗塁を記録した今年は大谷選手にとって飛「翔」の年ではなかったか。今年の漢字は、郵送では12月5日(インターネットは9日)まで募集し、12月12日の「漢字の日」に発表される。
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