2024年10月31日付

2024/10/31 08:00
八面観

素直に「推し」を選べばよいアイドルグループの選挙と違って、政治家の選挙の場合は「まあまあ推せる」や「他の候補よりはましだろう」など、後ろ向きな理由で投票することがある▼むしろ「心から、絶対に、この人を推す」という選挙は、そう多くない。それでも自分が投票したことに意味があったのだと納得できれば、次の選挙でも投票所に行こうと思えるだろう。なかなか投票率が伸びない理由の一つは、その辺りにあるのかもしれない▼1回目の投票で過半数の票を獲得した候補がいなかったため、上位2人の候補による決選投票を行った先日の自民党総裁選を見ていて、小選挙区でも採用できないものかと思った。この方法なら、票が分散したために大多数が支持していない候補が当選してしまう―という事態は防げるし、結果に納得感がある▼近年の選挙では野党が統一候補を擁立しようと調整に苦労しているが、この方法なら各党が候補を立てても最後は必ず一騎打ちになる。政策を無理にまとめることもなく、それぞれに堂々と主張すればよい。他国には実例があるようだ▼選挙の方法はほかにも、候補に順位を付けて投票し、1位3点、2位2点、1位1点などの順位点の合計で決める「ボルダ投票」もある。いずれにせよ、今より時間も費用も労力も増えるので実現は簡単ではないだろうが、納得感のある方法は探り続けるべきだろう。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。