パリ五輪・総合馬術団体で銅メダルを獲得した大岩義明選手(48)。諏訪市のnittohに所属し、おととい市長表彰を受けた。私と同年代である。紙面を組むやはり昭和生まれの整理記者がトリコロールをあしらった”ナウい”見出しで記事を彩ってくれた▼「自由の女神像があった」。諏訪インター近くでかつて営業していたプール施設のシンボルである。名古屋出身の大岩少年は毎年、家族と蓼科を訪れていた。観光乗馬のポニーとの触れ合いで馬が好きになり、地元で乗馬クラブを探した。「僕の馬術の原点は諏訪にある」▼もう一つの驚きが今年の諏訪湖花火大会を観覧していたことである。欧州を拠点とする競技生活ははや二十余年。生まれて初めての花火大会は「自分を祝福してくれているかのようだった」。諏訪人の私もうれしくなる話を聞かせていただいた▼大学卒業後、同社の関連会社に入社。競技から一度離れたが、夢を諦められず渡英。03年に同社所属となり5大会連続で五輪出場を果たす。人馬一体、会社を加えた三位一体でつかんだメダルである。マイナー競技ゆえの苦労もあっただろう。「初老ジャパン」というやや自虐的な愛称にも認知度向上への願いがこもる▼「次は違う色を」。挑戦し続ける姿勢を失わない48歳は、諏訪での特別講義の依頼にも前向きな返答をした。私たち中高年世代も話を聞きたいメダリストである。
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