伊那市の名誉市民で、戦前、戦後を通じて作曲家やピアニストとして活躍し、「水色のワルツ」やオペラ「春香」などの作品で知られる髙木東六(1904~2006年)の功績を振り返る「髙木東六先生の功績」(伊那市主催、NPO法人クラシックワールド主管)が8月11日、同市荒井のニシザワいなっせホールで開かれる。生誕120年記念の一環で企画。研究者による講演や髙木が残した歌などを通じ、改めてその足跡に思いを寄せる。
髙木は鳥取県米子市出身。1924年に東京音楽学校(現東京藝術大学)に入学したが、学園紛争に巻き込まれ中退。フランス・パリに留学した。パリで恩師の山田耕筰と再会、作曲家を志す。
45年5月の空襲で東京の自宅を焼失し、伊那町(現伊那市)に疎開。約7年を伊那で過ごした。この縁で「伊那市の歌」をはじめ、上伊那地方の小中学校の校歌なども数多く作曲。また、天竜川の土手を散歩中にメロディーが湧いたという「水色のワルツ」は代表作となった。
イベントは2部構成。第1部の講演では、髙木の研究者で島根大学教授(音楽家教育)の藤井浩基さんが「次代につなぐ音楽家・髙木東六の遺産」と題して話す。
第2部は「髙木東六先生の残した歌を歌う」と題し、女声コーラスの「ザ・シワクチャーズ伊那」、音楽指導者の熊﨑志津子さん=同市=、「男声合唱団GaKu」、高遠小学校音楽クラブが出演。「ザ・シワクチャーズソング」や「水色のワルツ」、高遠小校歌などを歌う。最後は参加者全員で「伊那市の歌」を歌って締めくくる。
クラシックワールド事務局長の北沢理光さん(75)は「亡くなってからだいぶたつが、私たちに多くの曲を残してくれた。髙木先生の功績を改めて知ってもらえたら」と話している。
午後2時開演。入場無料だが、予約(入場整理券)が必要。予約、問い合わせは、いなっせ内の伊那市生涯学習センター(電話0265・78・5801)へ。
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