色があふれる初夏にモノクロームの話。私生活でモノクロ写真にはまっている。撮影後に加工もできるけれど、最初からカメラの設定を白黒にして。先日は昭和の時代から営業する岡谷市のラーメン店で撮った。近くの路地も線路も。白黒写真には遠い記憶と懐かしさが同居する▼新聞の写真にもカラーと白黒が同居する。読者ニーズはカラーに軍配が上がるけれど、色情報を主に圧倒的に情報量が少ない白黒写真には見る人の想像力を掻き立てる力がある▼音楽写真家・木之下晃さん(1936~2015)の作品は音楽が聴こえてくると評された。母校の諏訪清陵高校音楽室に世界的音楽家を写した9枚が飾られる。名だたる巨匠たちの一瞬を捉えた大四つ切りのモノクロ写真。デジタル移行期を迎えても銀塩にこだわり、9枚はいずれも自らが暗室作業でプリント制作した。黒が力強い▼若き日の小澤征爾さんが体を揺さぶりタクトを振る。音楽が聴こえてくる。優れた集中力の持ち主である指揮者と向き合い、自身も極限まで集中力を高めた。「私はオーケストラの一員となって『写真』のパートを演奏している気持ちにさえなった」▼ラーメン店で自分が撮ったモノクロ写真を見返してみる。麺をすする音、スープの琥珀色、店主の情熱、店の歴史が伝わってくる写真かと問われると…。記者として撮る写真を含めて、技術も集中力もまだまだである。
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