2024年4月21日付

2024/04/21 06:00
八面観

黄色い帽子をかぶった児童が横断歩道を渡り小学校へ。横断歩道の両脇には旗を手に笑顔で誘導する大人の姿。渡り終えてちょこんと頭を下げる新1年生から「ありがとう」の気持ちが届く▼茅野市の道は「走っていて気持ちがいい」とよく聞く。高原から山岳に向かうと樹種が変わり、青空が近づいてくる。森林を抜けた先には美しい田園風景が広がる。街中では道路脇の花壇に花が咲き、横断歩道で歩行者と運転手の心が通う▼春を迎えた麦草峠では伊・高級車が列を組んで走り、車山高原には毎年仏車が全国から集う。きょう21日は初心者向けのラリー競技「トヨタ・ガズーレーシング・ラリーチャレンジin八ケ岳茅野」。春の風物詩として定着した▼公道を使用するラリーには、運転技術を競う競技区間「SS」とSSに向かう移動区間「リエゾン」がある。リエゾンでは交通法規を守り、歩行者やほかの車両に配慮しながら安全第一で走行しなければならない▼リエゾンの沿道に建つ蓼科山聖光寺は、交通事故の犠牲者の供養と負傷者の早期社会復帰の祈願する寺院で1970年に建立。発願したトヨタ自動車販売(当時)社長の神谷正太郎氏は落慶式で「自動車から災害を除き、真に明るく豊かな社会が到来いたすよう」努力する誓いを「建立のことば」に記した。全国から車が集まるまち茅野市。ここは「交通戦争」の終結に向けた出発地である。

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