2024年11月21日付

2024/11/21 08:00
八面観

「小学生は忙しい」。以前から耳にする言葉かもしれないが、親の立場になると実感が湧く。朝は大人よりも早く家を出て、学校から帰宅すると宿題が待っている。夕飯を食べて入浴を済ませると就寝時間。あっという間に一日が終わる▼民間会社の調査によると、塾や習い事をしている小学生はおよそ7割。運動や音楽、学習と選択肢は多岐にわたる。将来に役立つスキルを身に付けたり、好きなことに夢中になったり。二つ三つと掛け持ちをしている児童もいる。週末にも練習や大会参加。「大人より忙しい」と揶揄されるのも納得である▼「好きなことをやらせてあげたい」と思うのは親なら誰でも同じだろう。習い事に求めるものは家庭によって異なるが、興味関心や才能を見極める上で有効な手段の一つになる。ただ、「親が決めると失敗する」とも。親のエゴの押し付けでは長続きするはずがない▼一方で親の負担は増加する。送迎が必要になり、金銭と時間の両面での負担も少なくない。練習の手伝い、大会の引率、道具代…。仕事や家事との両立も必要になってくる。「習い事をさせたいけど、共働きなので難しい」との声も聞く。子ではなく親が”習い事疲れ”に陥るケースもあるという▼駆け足で過ぎ去る小学生時代。可能性を広げ、自信を付けさせることができる貴重な時間でもある。あくまで主役は子ども。親の踏み込み過ぎは禁物だ。

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