新年度を迎え新たな日常が始まった。学校を卒業して社会人として歩み始めた人、進級や進学で新たな学びが始まった人など。移転で住環境が変わった人も多いだろう。そんな生活の変化に慣れない人たちが陥りやすいと言われるのが「四月病」なのだという▼新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称で、社会人だけでなく大学生や中高生などにもみられる。昔は「五月病」という言葉もあり、どこの会社でも「新入社員の何割かは3カ月もたずに辞める」と頭を悩ませたものだ▼近年「退職代行」なる新たなサービスが話題になっている。その名の通り労働者に代わって退職の意思を雇用主に伝えるサービス。退職時期や業務の引き継ぎなども代行業者が調整してくれるそうで、SNSやネットなどの発達で認知度も急上昇▼労働者が退職時に受けるストレスを軽減するというのだが、いささか身勝手な気もする。立ち去る者は見苦しくないよう後始末をすべきという戒めの「立つ鳥跡を濁さず」ということわざもある。もちろん雇用側に問題がある場合は別なのだが▼とは言うものの四月病は本人のやる気にかかわらず陥るのも事実。かつてすぐに辞めてしまう人は我慢が足りないと言われたものだが、入社間もない社員が辞めていく会社にも何らかの問題があるだろう。長く働き続けるためにはストレスをため込まないのが肝要だろう。
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