春の暖かさに誘われて、桜前線も着実に北上している。新聞やテレビでは連日、開花や満開を告げるニュース。桜の情報に事欠かない毎年この時期、日本人にとって特別な花であるということを再認識させられる▼桜は春の象徴。短い花の時期を存分に楽しみたいという心の表われか、日本語は桜にまつわる言葉が多彩。満開の花が遠目にはかすみのかかったように白く見える「花霞」、散った花びらが水面に浮かんで流れる姿を表現した「花筏」。いずれも情景が目に浮かんでくる素敵な言葉だ。散り際まで美しいと感じるのは日本人ならではの美意識なのだろう▼先週末、南信州の桜の名所を巡った。この地域は樹齢数百年の一本桜が数多く残されており頭上から降り注ぐように咲く姿は荘厳。過剰な美しさから「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と考える梶井基次郎の短編小説を思い出し、神秘的なたたずまいに圧倒された▼近年、観桜期に合わせて来日し、花見を楽しむ外国人旅行客が増えていると聞く。花を美しいと感じる心は万国共通。満開の桜の下でうたげを楽しむ異文化体験も人気のようだ▼桜の撮影スポットとして知られる飯田市の杵原学校。多くの観桜客でにぎわう中、花見を楽しむ東南アジア系の団体に遭遇した。大騒ぎすることなくマナーを守る姿は立派な「桜人」。日本人の文化や精神に触れる機会にしてもらえたらうれしい。
購読残数: / 本
⻑野⽇報社からのお知らせ
フォトサービス
紙⾯に掲載された写真を有償で提供しています
諏訪湖マラソン…外部リンク
毎年10⽉開催の諏訪湖⼀周のハーフマラソン
第36回諏訪湖マラソン記録
⻑野⽇報の紙⾯PDFをご覧いただけます
⻑野⽇報ご購読
こちらから⻑野⽇報のご購読を申し込めます
⻑野⽇報就職研究会…外部リンク
「就職はふるさとへ」と考えている学⽣のみなさんへ
長野日報社 社員募集
2025年4月入社の社員を募集します
週間ランキング
「ララオカヤ」26年度から解体見通し 岡谷 諏訪湖SA上下線に「諏訪の国」コーナー新設 もみじ湖一帯色づき始め マイカー規制始まる 上伊那ご当地ナンバー導入へ 広域連合方針 岡谷でシルクサミット開幕 技術継承、文化創造へ 谷川俊太郎さん 下諏訪の親友黒田さんと交流 強い冷え込み、雪づくり 霧氷の樹林を背に 山下清のペン画など初公開 岡谷美術考古館 おむすびコンテスト 最優秀に矢坂さん 春近五人衆と井月、地元から光当てる 研究会発足日付で探す