2025年4月5日付

2025/04/05 07:59
八面観

防げなかったのか。こんなことを堂々巡りのように考えてしまう。このところ、子どもが犠牲になる交通事故が相次いだ。短い生涯を終えた本人はもちろん、父母らの無念はいかばかりか▼先月、浜松市で小学生の自転車の列に軽トラックが突っ込み、小学2年生の女の子が死亡、小学4年生の姉が重体となった。軽トラを運転していた78歳の男が逮捕された。報道によれば、現場にブレーキの跡はなく、事故の原因ははっきりしないが、映像を見ると見通しの悪いカーブで、歩道もないようだ▼よく通る道でも似たような場所がある。坂道でカーブ。交通量も多い。近くには小中学校や高校があり、通学路にもなっていて朝夕は登下校の子どもたちも多く通る。歩道はあるが、片側しかない所も。どの道でも安全運転は当然だけれど、この道を通るときは特に気を使う。道幅を広げたりするのは簡単ではないかもしれないが、事故が起きてからでは遅い▼浜松の事故で重体となっていた姉の意識が戻ったと報じられた。報道各社の取材に応じた父親は「半分うれしくて半分悲しい」と心境を語り、「(亡くなった妹の)葬儀は終わったが、まだ生きているという感覚しかない」とも伝えられた。深い悲しみに言葉がない▼春の入学シーズン。初めて歩いて学校に通う子もいるだろう。子どもを事故から守るのは大人の責務。そう肝に銘じてハンドルを握りたい。

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