小中学校や高校、大学の卒業式が終わり、進学や就職などそれぞれ新たな道に踏み出していく。企業や官公庁では異動が内示され、新たな職場や新たな場所での仕事も始まる。年度末で定年退職する人も多く、新たな人生を歩み出していく▼３月は別れ、そして旅立ちの時。「別れのつらさに馴れることは決してありません。いく度繰り返しても別れはつらく苦しいものです。それでも私たちは死ぬまで人を愛さずにはいられません。それが人間なのです」。瀬戸内寂聴は別れについてこんな言葉を残している▼４月は出会いそして始まりの時。出会いについて相田みつをは「その時の出会いが人生を根底から変えることがある。よき出会いを」と、谷川俊太郎は「人と出会ったおかげで自分とも出会えた」という言葉を残した▼いずれにしても３月、４月は多くの人にとって転機を迎える時。今までの生き方や過ごしてきた環境がこれまでとは全く別のものに変わる時が人生の転機だが、親しかった人とのつらい別れ、人からの意外な言葉、病気やけがなど、さまざまなきっかけで転機を迎えることがある▼これからどんな人生を歩みたいかを自らに問いかけ、「これが人生の転機だ」と感じたら勇気を持って決断することが必要なのだという。だがなかなかそうできないのが現実であり、みな人生に悩んでいる。より良き人生を願いながら、日々苦悩し続ける。