物理学者で随筆家の寺田寅彦が著作「天災と国防」(1934年)の中に記した戒めを一部抜粋してみる。「悪い年回りはいつか回ってくるのが自然の鉄則、いい年回りの間に十分の用意をしておかなければならない」▼平時の備えこそ重要だと説く。そしてこう続ける。「実に明白なことであるが、またこれほど万人がきれいに忘れがちなこともまれである」。寺田の死後、門下生であった中谷宇吉郎によって広められた〈天災は忘れた頃にやってくる〉の典拠とされる一文である▼阪神大震災から30年が経過した。昨日はニュース番組で多くの特集が組まれた。肉親や友人を失った方々を思えば節目と呼ぶのもはばかられるが、記憶を風化させないために意義のある1日だったのではないか。もっとも、近年は天災を忘れる間もないのだけれど▼この30年間、日本はさまざまな災害に見舞われた。東日本大震災は言わずもがな、列島各地で震度7規模の地震が発生。1年前の能登半島地震は記憶に新しい。13日には気象庁が「南海トラフ地震臨時情報」を発表。3連休最後の夜に不安を覚えた方も多いのでは▼地震だけではない。台風や噴火、異常気象…。昨年9月には、震災の復興が滞る奥能登を豪雨災害が襲った。行政の対応は追いついていないのが現状だ。有事に公助が間に合わないなら、自助共助がどれほど大切か。昨日はそんな思いも新たにした。
購読残数: / 本
⻑野⽇報社からのお知らせ
フォトサービス
紙⾯に掲載された写真を有償で提供しています
第50回信州書道展 紙面PDF
長野日報の紙面PDFをご覧いただけます
諏訪湖マラソン…外部リンク
毎年10⽉開催の諏訪湖⼀周のハーフマラソン
第36回諏訪湖マラソン記録
⻑野⽇報の紙⾯PDFをご覧いただけます
⻑野⽇報ご購読
こちらから⻑野⽇報のご購読を申し込めます
⻑野⽇報就職研究会…外部リンク
「就職はふるさとへ」と考えている学⽣のみなさんへ
長野日報社 社員募集
2026年4月入社の社員を募集します
週間ランキング
真紅の景色、ハナモモ見頃 諏訪の紅雪の里 鮮やか八重桜並木 岡谷の塚間川沿いで見頃 高台に赤いハナモモ 諏訪市岡村「紅雪の里」 駒ケ根ハーフマラソン 2026年から4年間休止 高校生がコンビニ企画運営 きょうオープン 諏訪湖スマートIC 7月27日開通 鮮やか”遅咲きの桜”350本 茅野の聖光寺 初夏の呑みあるき 伊那で来月31日 「島田娘」中アにくっきり 「天下御免」の美酒 御座石神社どぶろく祭り日付で探す