2025年4月29日付

2025/04/29 07:59
八面観

楽しんで防災に取り組もうという機運が諏訪地域で高まっているようだ。2件の取材で立て続けに同じ趣旨の空気に触れた。一件は今月12日に岡谷市で開かれた岡谷防災ネットワークの設立総会でのこと▼平時から地域の防災関係者がつながりをつくる狙いで、会員募集のチラシには「日常に防災を! 楽しく学んで地域を守る!」とうたわれている▼もう一件は茅野市宮川地区社会福祉協議会の研修会。防災士の講話で南海トラフ地震や市内の被害予想などを学んだ後は、クイズや100円グッズで構成する防災ポーチづくりを和気あいあいと楽しんだ▼防災の話題となるとどうしても堅苦しくなりがちで、あまり考えたくないことではあるし、準備も面倒に感じているところに大きな災害の報道があると慌てて防災グッズを買い集める―といった行動になりがちだ▼本紙4月3日付掲載の「はらいおん先生の教室からひとこと」第52回には「やる気を支えるためには、授業での成功体験と、知的な楽しさの経験が一番」とある。これは新年度を迎えた子どもたちのことだが、防災も同じだろう▼諏訪地域も上伊那地域もたびたび災害に見舞われ、尊い人命を失ってきたことを思えば、「楽しく」と言うとやや不謹慎に捉えられるかもしれないが、講習や訓練に多くの住民の参加を促し、日頃から顔の見える関係をつくっていくには笑顔が欠かせないはずだ。

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