「豊かな青春、みじめな老後」―。かつてタイの首都バンコクにある宿の一室にあった落書き。荷物を詰めたリュックサックを背負い、節約しながら世界旅行を楽しむ旅人が、旅先の寸評と共に書き残した言葉とされる▼若き日を謳歌してばかりいると晩年に窮するという戒めも含んだ一文で、すでに35年前には旅行者の間に浸透していた。世界各地にある日本人が集まりやすい安宿で、日本人同士が旅の話をする時、会話の最後に出てくる言葉でもあった▼昔、3年ほど海外を旅していた。高校時代から、長期休暇を取って好きなことをする欧米人に対し、日本人は「一体いつ遊ぶのか」と疑問に感じ、「長い人生、若いうちにいっぱい遊ぼう」と旅立った▼行く先々で日本と現地の違いを比較して日本文化の価値に気付き、最貧国や紛争地では自分がいかに恵まれた環境にあるのかを知った。旅を通じて根気が身に付いたのも収穫だった。経験は、こうして執筆にも生かすことができている▼長旅で友達になった日本人は多い。彼や彼女は現在、会社員や公務員、有機米の栽培農家、ツアーコンダクター、写真家、難民支援のNGO運営者、医療従事者などとして活躍している。豊かな青春は、頼もしい中高年を育んだ。今、目の前に諸般の事情で仕事を辞める25歳の青年がいる。「次の仕事まで好きなことをするチャンス。旅もいいよ」と誘惑している。
購読残数: / 本
⻑野⽇報社からのお知らせ
フォトサービス
紙⾯に掲載された写真を有償で提供しています
第50回信州書道展 紙面PDF
長野日報の紙面PDFをご覧いただけます
諏訪湖マラソン…外部リンク
毎年10⽉開催の諏訪湖⼀周のハーフマラソン
第36回諏訪湖マラソン記録
⻑野⽇報の紙⾯PDFをご覧いただけます
⻑野⽇報ご購読
こちらから⻑野⽇報のご購読を申し込めます
⻑野⽇報就職研究会…外部リンク
「就職はふるさとへ」と考えている学⽣のみなさんへ
長野日報社 社員募集
2026年4月入社の社員を募集します
週間ランキング
「つつじ祭り」色づき進む 鶴峯公園 学校林のタラの芽なくなる 伊那西小 鷲見産婦人科、7日開院 伊那合庁隣に 日本無線諏訪工場 沼田さん諏訪で調査進める 光の乱舞に期待 辰野ほたる祭り6月7日から ”大人”の決意新た 諏訪市「二十歳のつどい」 思い出は心の中に 旧岡谷小4年生が二十歳の再会 人生の門出五月晴れ 諏訪市が二十歳のつどい 茅野市「のらざあ」 即時予約で運行体制前進 観光地域ブランド 「諏訪の国」認定100件超日付で探す