建館50周年記念事業に参加するともらえる考古館特製の缶バッジとイベント内容を伝えるポスター=井戸尻考古館

井戸尻考古館建館50周年 8月から記念事業

2024/07/20 08:00
文化

富士見町の井戸尻考古館は1974(昭和49)年、現在の建物が開館し、今年で50周年を迎えた。記念事業として8月から「建館50周年特別展示」を開催するほか、11月までに舞台公演、映画会、講演会、座談会、音楽会の多彩な催しを計画。地域の人たちと共に同館50周年の歴史を振り返り、今後の50年に向けて将来像を語り合う。

 

富士見町では56(同31)年に「境史学会」が誕生。考古学者を招いた記念講演をきっかけに遺跡の発掘が盛んに行われた。これにより貴重な縄文土器などの遺物が数多く出土。一連の資料を保管展示する目的で、当時の町役場境支所内に最初の考古館が設けられた。その後、耐火性に対する課題の解決も含め、現在の考古館を建設し開館した。

 

8月1日からの「建館50周年特別展示」では、これまでの展示を模様替えし、説明文も刷新。用途に応じた土器の使い方を解説するなど、地元の縄文人の暮らしぶりに迫る内容を紹介する。

 

同館単独の記念事業は、ドキュメンタリー映画「縄文にハマる人々」の上映会と、山岡信貴監督と小松隆史同館長のトークセッション(8月24日、井戸尻史跡公園)、映画監督の北村皆雄さんを招いた講演会(9月21日、町コミュニティ・プラザ)、考古館の過去と未来を語り合う座談会(11月23日、同)を行う。

 

このほか、他団体と共催する事業は、アートパフォーマンス「混沌の首」による音楽演奏と舞踏の公演「縄文・火と大地の記憶」(8月3日、同公園)、「出水のため池」が語源の「デーノタメ遺跡」がある埼玉県北本市の音楽家による音楽交流会(11月4日、同公園)を計画する。

 

特別展を除く各イベントは入場無料。各イベントの参加者には同館が「始祖女神像」や「方神」などの土器や土偶の紋様をモチーフにした缶バッジをプレゼントする。各イベントの開催日に缶バッジを付けて同館へ行くと、入場料が無料になる特典もある。

 

井戸尻考古館は現在、新館の建設準備が進行中。2029年度の建物完成を目指している。同館では「考古館は地元の熱心な考古学愛好者が基礎を築き、運営した歴史がある。建館50周年を機に過去と未来の井戸尻考古館について認識を深めていただければうれしい」としている。

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