諏訪市の諏訪湖畔で八重垣姫の恋物語「本朝廿四孝 奥庭狐火の段」の無料公演を目指す一般社団法人・大昔調査会は1日、実現に向けて資金を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。目標金額は300万円で、8月23日までの募集期間中に達すれば成立する。返礼品の一つに照光寺(岡谷市)での特別公演を用意し、県内外の幅広い世代に支援を呼び掛けている。
「奥庭狐火の段」は、武田信玄の息子勝頼に恋した上杉謙信の娘、八重垣姫(架空の人物)の物語。八重垣姫が諏訪法性の兜を手に、諏訪大明神が遣わした狐に導かれて凍った諏訪湖を渡る場面などがある。過去2年は照光寺で上演してきた。
八重垣姫の石像がある石彫公園にステージを設ける。人形遣いの吉田勘彌さん=兵庫県=らが湖を背にして人形を操る。公演日は10月26日(時間未定)で、湖畔を舞台とするイベント「諏訪圏フォーラム」の一つのプログラムとして実施する計画だ。
CFで目指すのは、湖畔での無料公演と照光寺での特別公演の実現、過去2年の公演と今回の舞台の映像化。照光寺では前日に奥庭狐火の段の前段の演目「十種香」を本堂で上演する計画。支援コースは5000円~100万円までの16種類あり、5万円以上の4コースで同寺の公演招待を返礼品とした。
CFサイトの「レディーフォー」で募る。第2目標金額は500万円とし、実現すればより充実した舞台、よりこだわった映像を制作する。
同寺で1日会見した大昔調査会の髙見俊樹理事長は「諏訪湖公演は悲願。諏訪の地が盛り上がり、郷土に対する誇りや関心の醸成につながる公演にしたい」。文楽に造詣が深い旅館「ぎん月」(下諏訪町)の武居智子さんは「この地の演目を諏訪湖を背景に行う。ぜいたくで唯一無二の公演になる」と価値を語り、支援を呼び掛けた。
支援に関する問い合わせは大昔調査会の「SUWA×文楽」事務局(電話070・8487・7138)へ。
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