生き生きとした人形遣いを披露した中川人形保存会の公演

情感豊かに人形浄瑠璃 中川人形保存会が公演

2024/06/25 06:00
文化

中川村の中川人形保存会による「中川人形浄瑠璃第11回公演」(保存会と村公民館主催)は23日、同村の中川文化センターで開いた。演目は「傾城阿波鳴門~順礼歌の段」などを上演。情感あふれる人形芝居で、来場した約80人の心を揺さぶった。

 

同演目は親を捜して順礼する娘と偶然出会った母親が、娘に難が降りかかるのを恐れ、母であることを打ち明けられず葛藤する場面を描く。真に迫る太夫の語りと三味線に合わせた人形遣いで、母子の心情を表現。観衆を物語の世界へ引き込んだ。別れの場面にすすり泣く観客もいた。

 

小学生の長女とともに見た中川村の西岡愛さん(40)は「感情がこもり、心の揺らぎが伝わってきた」と話した。保存会では、戦時中に村内へ学童疎開した二子玉川小学校(東京都)の保護者がお礼として村側に人形を贈ったことを縁に、二子玉川との交流を続ける。8日には同校で里帰り公演を行い、23日も二子玉川の関係者が訪れ鑑賞した。

 

保存会の下平達朗会長(75)は「念願だった里帰り公演の報告のつもりで演じた」とし、今後について「県の支援金を受けて新しい人形を調達できる見通しも立った。演目も増やしていければ」と話していた。

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