諏訪市中洲小学校の児童有志とその保護者でつくる和太鼓連・中洲黄金(こがね)太鼓が、十分な練習ができる稽古場所の確保と資金難に頭を悩ませている。メンバーが減少する中で他地域からも入団者を集めたいが、現行の練習場所では手狭|という板挟み。加えて、近隣住民からの苦情に真夏も窓を閉め切って遠慮しながらの練習を余儀なくされている。発足から21年。太鼓の補修費捻出も負担が重く、保護者からは「伝統芸能を子どもたちに継承したいが、自力でどこまで運営できるか」と不安の声も漏れている。
連の始まりは、当時の同小3年3組が総合的な学習の時間で取り組んだことがきっかけ。その後も続けたい有志が集まって翌年、発足した。授業の先生でもあった岡谷太鼓保存会のメンバーに指導を請い、太鼓は以前地元にあった「中洲黄金太鼓」から同小に寄贈された一式を借りて同小音楽室で練習してきた。連の名称も受け継いだ。
現在のメンバーは1~6年の11人。保存会の指導者に代わり、演奏経験のある保護者が先生となって技術をつないでいる。練習は1週間に1度、2時間のみ。イベント出演を控える時は岡谷市内の会場を借りるが、「技術を磨くには練習量が少なすぎる」(三井笑美代表)と歯がゆい思いをしている。また、数年前に学校近くの住民から「音がうるさい」と苦情が出てからは気持ちも萎縮しがちだ。
コロナ禍の中、同校音楽会や地域行事の休止で見せ場を失ってからは新規加入者が減り、現5年生が卒業する2年後のメンバーはわずか4人。存続の危機が迫っている。
保護者の一人、宮地香澄さんは「これまで学校と地域の多くの人たちの支えのおかげで活動をつないでこられた。中洲地区の伝統芸能を守りたい」とするが、1張り10万円を下らない修繕費用を工面し続けるのも難しい―と話す。三井代表ら保護者は「太鼓演奏は子どもの体をつくり、協調性を養ってくれる。学区にこだわらずに各地から子どもたちが集まり、伸び伸びと練習に励める環境をつくってあげられたら」と新たな練習場所や資金確保の道を探っている。
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