かやぶき屋根のふき替え作業が進められている岡谷市長地柴宮の県宝「旧渡辺家住宅」で9日、市民向けの見学会(市教育委員会主催)が開かれた。北側の面を除く大規模なふき替えは、1991年の解体復元工事以来、33年ぶり。市内外の13人が作業を体験し、伝承される職人技術や文化財保護への理解を深めた。
ふき替える屋根の面積は約149平方メートル。伊那市高遠町で採取されたカヤ9トン余を使用し、耐用年数は20~30年ほど。作業は今年度から始まり、約8割が完成した。14年前にふき替えを終えた北側の面では、補修のみを行っている。
見学会では、施工を担う専門業者「茅葺(信州」(同市)代表の米山智明さん(47)から、屋根の構造や雨が室内に流れ込まない仕組み、修繕の手順、専用の道具について説明を受けた。
参加者は傷んだカヤを抜き、新しく差し込む「差し茅」を体験。職人の手ほどきで屋根の表面を刈り整えるはさみも使い、難しさを実感していた。
家族と参加した男性(69)=岡谷市山下町=は「めったにできない体験だった。地元の貴重な文化財を守り、残していってほしい」。長女(33)は「作業が難しくて職人のすごさが感じられた」と話した。
旧渡辺家住宅は、高島藩に仕えた下級武士の屋敷。18世紀中ごろの建築とされ、19世紀半ばに改築された。明治以降に渡辺家は3人の大臣を輩出した。
ふき替え作業は7月上旬まで。屋根以外の修繕工事もあるため、9月まで休館する。
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