諏訪市四賀の採石場跡地・幕岩を整備し、名所づくりを目指す東山地域里山活性化プロジェクト(伊藤為幸代表)は、現地に手作りの眺望デッキと休憩場所、掲示板を設けた。デッキに用いた木材は、2016年の諏訪大社上社御柱祭で四賀地区が豊田とともに曳(ひ)き建てを担当した「本宮一之柱」。役目を終えたご神木が、熱い祭りの思い出とともに市民を和ませるスペースとして生まれ変わった。切り立つ断崖の中腹に旧字で刻まれた「幕岩」の文字を見つける新たな発見もあり、正式に「幕岩公園」と命名した。
■休憩場所整備は終盤の一大事業
桑原城址を見下ろす山腹にあって昭和30年代ごろまで鉄平石の採掘が行われていた。近年はやぶと化して荒廃していたが、同団体が3年前から人海で手を入れ、高さ30メートル超、幅数百メートルに及ぶ断崖のパノラマと、諏訪盆地を望む眺望が開けた。
デッキと休憩場所、掲示板の製作は整備計画終盤の一大事業で、「一之柱」の払い下げを受けた地元の有賀建設(有賀稔社長)が、自社も携わるこの活動を応援しようと寄付した。主な製作は同団体のサブリーダーで大工の伊藤金一さん(68)が匠(たくみ)の腕を振るった。
■真正面の本宮も見どころの一つ
四賀地区は当時の御柱祭で96年ぶりに本宮一を担当する大役を果たした。くしくも伊藤さんは建て御柱で「てっぺん男」を務めた。人一倍思い入れの深い御柱を自ら加工、再生できることを大いに喜び、「自分が使うつもりで心地よさに気を使いながら製材、設計、組み立てをした」(伊藤さん)。とはいえ幅80センチ、長さ4メートルもある材は大きすぎて扱いに苦労し、「時間をかけてねじれを取ったり、削り直したりして結構手がかかった。大切な木なので端材を出さないように余すことなく使った」という。
現地に設置したところ、偶然にも国道から上社への参道が足元から延び、真正面に本宮があった。「御柱が社を見守る新たな役目を得て、眺望の見どころがもう一つ増えた」(伊藤代表)とメンバー皆で喜び、有賀社長も「ご神木にふさわしい使いどころで生かされて良かった」と話している。
休憩場所と掲示板は園内に入って最初の見どころ、滝の前に置き、掲示板には来訪者に足跡を残してもらうノートも備え付けて交流を心待ちにしている。
購読残数: / 本
⻑野⽇報社からのお知らせ
フォトサービス
紙⾯に掲載された写真を有償で提供しています
諏訪湖マラソン…外部リンク
毎年10⽉開催の諏訪湖⼀周のハーフマラソン
第36回諏訪湖マラソン記録
⻑野⽇報の紙⾯PDFをご覧いただけます
⻑野⽇報ご購読
こちらから⻑野⽇報のご購読を申し込めます
⻑野⽇報就職研究会…外部リンク
「就職はふるさとへ」と考えている学⽣のみなさんへ
長野日報社 社員募集
2025年4月入社の社員を募集します
週間ランキング
「ララオカヤ」26年度から解体見通し 岡谷 上伊那ご当地ナンバー導入へ 広域連合方針 諏訪湖SA上下線に「諏訪の国」コーナー新設 もみじ湖一帯色づき始め マイカー規制始まる 岡谷でシルクサミット開幕 技術継承、文化創造へ 谷川俊太郎さん 下諏訪の親友黒田さんと交流 強い冷え込み、雪づくり 霧氷の樹林を背に 春近五人衆と井月、地元から光当てる 研究会発足 山下清のペン画など初公開 岡谷美術考古館 おむすびコンテスト 最優秀に矢坂さん日付で探す