伊那市は2日、同市長谷に建設した長谷総合支所新庁舎の開庁式を開いた。上伊那産材を活用した木造平屋建てで、木の温もりを感じられる雰囲気の内装。防災面では再生可能エネルギーによる発電設備を導入するなどして災害時拠点としての役割を担う。式には関係者約70人が訪れて門出を祝った。
旧庁舎は1959年に旧長谷村役場として建設されたが、老朽化などのために取り壊した。新庁舎は行政拠点として長年住民に親しまれた同地に建設することになり、2022年から約2年かけて建て替え工事を進めてきた。工事期間中の業務は同地区の「気の里ヘルスセンター栃の木」で行った。
新庁舎は延べ床面積約695平方メートル。施設内には市民福祉課や南アルプス課など4課分の事務スペースをはじめ、市民ホール、会議室、多目的・男女用トイレなどのほか、JA上伊那の現金自動預払機(ATM)施設もある。市商工会長谷支所も入った。
屋根には太陽光発電設備を配して庁舎内の電力の一部を賄う。またリチウムイオン蓄電システムを備えており、災害時などに活用。正面玄関横の長い軒先は、避難スペースとしても使用できる。
駐車スペースは14台分だが、施設周囲の駐車場を含めると約40台を収容できる。
総事業費は約4億8400万円。財源には地域脱炭素・再エネ推進交付金や合併特例事業債などを活用した。
開庁式では白鳥孝市長らがテープカットを行って祝福。白鳥市長は「長谷地域らしい木の香りや木の温もりを感じさせる庁舎。頼れる地域の拠点として有意義にご利用いただき、安心できる暮らしと地域の発展のため努めていきたい」と話していた。
記念アトラクションでは、地元の民舞「ざんざ節」をざんざ節保存会が、太鼓演奏を長谷中学校3年生がそれぞれ披露して祝典を盛り上げた。
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