箕輪町下古田区は19日、熊の出没が相次ぐ深沢川左岸でやぶを取り払う作業を始めた。7月上旬までの6日間で延べ約40人が道路や水路から幅2~3メートルのやぶを撤去するほか、木の実をつけるクワや竹林を皆伐して、熊が居座らない環境づくりを進める。初日は50~70代の区役員と区民有志合わせて7人が参加し、渓畔林の見通しを良くする作業に汗を流した。
同区では6月2日に深沢川左岸で散歩中の70代男性が熊に襲われる人身被害が発生。その後、クワの木に登った跡を確認した県クマ対策員の助言を受け、町みどりの戦略課が14日、クリーンセンター八乙女近くの町道6号線の深沢川の橋周辺でやぶを伐採する緊急作業を展開した。
下古田区は天竜川西側の山沿いに100世帯、300人が暮らす。区内を流れる深沢川に熊が出没することは以前から知られていたが、高齢化もあって熊対策でやぶ払いをするのは初めて。町の予算を活用して区議会議員や区民有志が協力して作業を進める。
初日は深沢川沿いの雑木林に入り、人身被害があった竹林下に生い茂るやぶとクワ、張り出した樹木の枝などをチェーンソーや刈払機で取り除いた。小平惠一区長(73)は「林の中が明るくなって見通しが良くなった。熊にばったり出合うことはなくなると思う」と手応えを語った。一方で、犬を連れた単独の散歩やコンビニ弁当など動物を誘引する不法投棄をしないよう注意を呼び掛けている。
町では5月末から17日までに西山地域で6件の熊の目撃情報がある。町みどりの戦略課は、熊の出没場所を中心にやぶを取り払う作業を継続していく方針だ。
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