土間部分の土を掘り、古民家のリノベーションに励む参加者たち

古民家を多機能施設へ 山﨑さん夫妻セルフリノベ

2024/06/14 06:00
社会

富士見町に住む山﨑隆一さん(51)、絢子さん(47)夫婦が、茅野市笹原の通称「宿中通り」沿いに残る築120~130年とみられる古民家の「セルフリノベーション」に取り組んでいる。地域交流拠点を見据えたカフェや観光案内所などを併設する多機能施設「水聴庵」を今年の秋ごろに開業したい考えだ。13日には、地元の笹原観光まちづくり協議会のメンバーら約10人の協力を受け、土間の床部分を改装する下準備を行った。

 

同協議会事務局の武安茂美さん(73)によると、区内には、日ごろ使われていない古民家が20戸近くあり、空き家問題が顕在化しているという。「古民家再生を事業の一つに掲げ、移住を促進している協議会からすれば、施設の開業は願ってもない提案」と武安さん。「土地の魅力を発信しながら、観光を手段としたまちづくりにつなげられれば」と期待を寄せる。隆一さんは「町おこしや、空き家問題を解決するプラットフォームにもなれば」と構想する。

 

同協議会が作業に参加するのはこの日が初めて。参加者たちは、水をまいて砂ぼこりを抑えながらスコップで土を掘り起こすなどして、土間の仕上げ材の「三和土」を固めるための下地を整えた。これまで”ほぼ二人三脚”で改装を進めてきたという絢子さんは、「地元の元大工さんなど、多くの人に手伝っていただき、涙が出そうなくらいありがたい」と感謝していた。

 

今後の展望について隆一さんは「子どもから高齢者まであらゆる世代が集える場所作りを目指す」。絢子さんは「ゆくゆくは地域の人たちの”なりわい”を創出することのできる施設となれば」と語った。

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