茅野市のコワーキングスペース「ワークラボ八ケ岳」を利用する公立諏訪東京理科大学(同市)の学生を対象とした入退館管理システムを開発し、現在も運用を続ける2人組がいる。同大学工学部4年で、共にものづくりサークルに所属する藤本雄大さん(22)と三澤洸陽さん(21)だ。情報応用工学科の藤本さんがサーバー管理を担当し、機械電気工学科の三澤さんが読み取り用の端末の開発を手掛けるなど、2人で「ソフト」と「ハード」の両面を網羅。システムのアップデートや端末の改良も継続的に行っている。
同施設では理科大生にコワーキングスペースの貸し出しを行っているが、入退館の記録を紙とペンで手書きしていた。「手間がかかる」といった声を受け、2人は2022年夏ごろに、学生証を読み取り用端末にかざすことで入退館の記録を残すシステムの開発に着手。約2カ月の期間を経て”納品”した。
藤本さんによると、ものづくりに興味を抱いたきっかけは中学生の頃。同人コンピューターゲーム「東方永夜抄~Imperishable Night.」をして、自分でもゲームを作りたい思いに駆られたという。
システムの運用から約2年が経過した現在でも「(同施設から)メールが来るとそわそわする」と藤本さん。「大学の授業で提出するプログラムとは異なり、長期的に運用するため、エラーを起こすことは許されない。定期的にフィードバックもいただき、自分の作ったものを評価してもらえる貴重な経験になっている」と語る。
一方、三澤さんは小学5年生の頃に、近所の科学館で体験した「ロボット教室」の楽しさが今日までの原動力となっている。
学生証の読み取り用端末の改良を現在も続けているといい、昨年9月には耐久性を意識した「2号機」を開発。デザインがより洗練されたほか、約3分の1の体積にまで「小型化」に成功したという。「使う部品を小さくして、できるだけ構造を単純化した」と相好を崩して説明する様子からは、ものづくりに懸ける情熱が伝わる。
同施設を運営するまちライブラリーの久保瞳コミュニケーター主任は「理科大生の入退室がとてもスムーズになった」と評価。「以前まではエクセルでデータを集計していたが、表で一気に送られてくるので作業が楽になり、とてもありがたい」と話していた。
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