諏訪市は、市役所駐輪場の一角で1月9日~2月16日に行ったスマートコンポストによる生ごみ処理実証実験の結果をまとめた。微生物の力で生ごみを高速分解して堆肥にする装置で、市民モニター21世帯が各家庭から出た生ごみを投入。総投入量115.7キロに対して分解量は37.7キロとなり、通常は98%とされる分解率は32.5%にとどまった。寒冷地で微生物群の活性が上がらなかったことなどが考えられるという。
市では、2008年から福祉作業所「さざ波の家」に大型生ごみ処理機を設置している。更新時期が近づいていることから、燃やすごみの減量につながる新たな処理方法として実証実験を開始。環境負荷が少なく、生じる堆肥量も少なくできる同処理機の有効性のほか、寒冷地・冬期間でも正常に高速分解できるか検証した。
市は、開会中の市議会6月定例会一般質問で結果を説明した。実証実験の日数は実質37日となり、1日の平均投入量は3.1キロ。市民モニターの9割以上が同処理機を「継続的に使いたい」と回答したとし、大舘弘子市民環境部長は「利用状況やモニターの感想はおおむね良好で、拠点回収システムとしての実用可能性を探る上で意義あるものだった」とした。
分解が進まなかった要因としては他に、メーカーによる分析結果から▽庫内の温度が上がらずに堆肥の水分が十分蒸発せず、生成された堆肥の含水率が高くなったこと▽生ごみ以外の混入が数回あり分解能力に影響を与えた可能性があること-を挙げた。
大舘部長は「メーカーも改良を図るとしており、意見交換を継続したい」とし、「生ごみ処理の施策に関してはあらゆる可能性を排除することなく幅広く情報収集し、拠点回収自体をどうしていくかを含めて検討する」と述べた。
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